2023年4月15日土曜日

(ペルー産)エクストラバージン・オリーブオイルの取扱いを開始しました!

この度、ペルー産 エクストラバージン・オリーブオイルの取扱いを開始しました。

試食して、驚きました! 感激しました!
色と香りがよく、苦味と辛味のバランスもよく、とても美味しいオイルです。
是非とも皆さんにも紹介したいと思いました。

香り高く、濃厚で、程よいビターな味わいで、オイルの物足りなさを感じることがありません。喉ごし時に、ピリっとしたやや強めの辛味がありますが、これはオリーブオイルの品質を語る上で好ましい性質です。

キャップを開けると、細い注ぎ口がはね上がって出てくるのもいいですね。
オイルが垂れることなく使用できます。

是非、お試しください!


2022年12月23日金曜日

EXVオリーブオイルの値段があがっています。

ここ数年、EXVオリーブオイルの値段が上がり続けています。EXVオリーブオイルのみならず、食品全般の値段があがっていますので、大変な時代になってきました。

オイル(油)は体にとって、とても大切なものですので、質の悪いものを常時使用するわけにはまいりません。かといって、いつも高価なオイルばかりでは長続きしないと思うのです。

幸い、EXVオリーブオイルは、産地の違い、品種の違い、輸入ルートの違いなど、様々な要因で価格も大きく異なる商品です。価格が高いから絶対的に美味しいということはないですし(通常は、美味しいはずなのですが、お口に合わないものはあるかもしれません)、価格が高いからといって、必ずしも高品質とも限りません(高品質な可能性は高いです)。

低価格の商品でも、鮮度や品質の高いEXVオリーブオイルはありますので、どうかオイル専門店の方にいろいろとご質問なさって、内容と品質で満足されるオイルをお求めになってください。安くても、お好きな風味のオイルに出会うことができれば、それはとても幸せなことだと思うのです。

例えばですが、チリ、ポルトガル、トルコ、ギリシャのオイルは、高品質でありながらも、お求めになりやすい価格帯のオイルが多いと感じてます。EXVオリーブオイルの世界的なコンテストで受賞するくらいの実力があります。是非、お試しになってみてください!

2022年4月11日月曜日

これまでノーマークだったトルコ産のオリーブオイル

この度、トルコ産の素晴らしいエクストラバージン・オリーブオイルに出会うことができました!

キャップを開けた瞬間、ふわーっとなる、すごく良い香り。置いているボトルの横を通るたびに、キャップをあけて香りを嗅いでます。ちょっと口が寂しくなったら、スプーンに注いで飲んでます(半ば病気...)。また、赤の背景にゴールド様のラベルが気分を高揚させてくれます。

トルコは、世界第4位のオリーブ生産国です。地中海性気候のトルコは、オリーブ生産にとても適した気候で、近年は生産量が大幅に増えているのだそうです。

本当に素晴らしい風味なのです。

実直で情熱をもって、最高のオイルを生み出される生産者さんに感謝!

誠実で人々の健康と幸せを考えてくださっている素敵な輸入者さんに感謝!

また新たな世界の入口に立つことができました。

高品質で、お求めになりやすいトルコ産のエスクトラバージン・オリーブオイルを、是非お試しください!

2022年4月4日月曜日

「この食材(料理)には、どのオリーブオイルがあいますか?」

 「この食材(料理)には、どのオリーブオイルがあいますか?」

と、たまに質問を受けることがあります。

それに対する答えは、基本的に、どのオリーブオイルでも合うと思います。(ここでのオリーブオイルとは、エクストラバージン・オリーブオイルのことを指してます)

敢えて言うとすれば、料理とオイルが互いに存在するために、もしくはどちらかを引きたてるために、料理とオイルの強さ(主張)の傾向をあわせる、ということになるのだと思います。ですが、そこまで厳密なものではありません。

もともと、味覚というのは人それぞれですので、その人が美味しいと思う組み合わせであれば、何でも良いと思うのです。品種も、価格も、あまり関係ありません。

「この料理にはこのオイル」というような記事を見た方が、このオイルでなければダメなのだというふうには思ってほしくないのです。(そして、そのようなオイルは、たいてい高価なものです)

私は、オリーブオイル全般について、どのような傾向のオイルでも、なんでも美味しいと感じてしまうので、あまり参考にならないのかもしれませんが、品質のよいエクストラバージン・オリーブオイルであれば、どれでも美味しいものです。風味はいろいろありますが、どれも本当に美味しい。風味の好き嫌いはあるかもしれませんが、美味しくないわけではありません。(劣化した低品質のオイルは、マズイです。これはどなたでも、だいたいわかります)

「この食材にはどのオリーブオイルが合うか」ということよりも、なるべくお客様の使用方法や味の志向にマッチするようなオイルをご紹介したいです。中身とは関係ないかもしれませんが、デザインが気に入っていただけるならば、毎日の使用も楽しくなりますね。それだけで美味しくさえ感じると思います。私は、使用することで幸せになるようなオリーブオイルをご紹介したいと思っています。

2021年12月2日木曜日

今年もまたエクストラバージン・オリーブオイル ヌーヴォーの時期がやってきました!

 年に1度のお楽しみ!今年もまたエクストラバージン・オリーブオイル ヌーヴォーの時期がやってきました!

「ヌーボー(ヌーヴォー/Nouveau)」とは何かは[こちら]の記事に書いています。

初摘みならではの、フレッシュな味わいのオリーブオイルを、ぜひご堪能ください!

ご注文受付中です。数に限りがありますので、お早めにどうぞ!

ノヴェッロ・新油オリーブオイルはこちら


2021年7月29日木曜日

天ぷらを揚げるのにも、実はお勧めの「エクストラ・バージン・オリーブオイル」

天ぷらを揚げるための油として、エクストラ・バージン・オリーブオイルが使用できる話をすると、驚かれることがあります。

これは、そんな高価な油を天ぷらに使うのはもったいない、ということと、エクストラ・バージン・オリーブオイルは天ぷらにも使えるの? 加熱しても大丈夫なの?という、おおよそ、このような話題に集約されます。

たしかに、エクストラ・バージン・オリーブオイルは高価ではありますが、それだけのメリットがあります。

エクストラ・バージン・オリーブオイルは、未精製油ではありますが、スモークポイント(発煙点)が高く、オレイン酸も豊富なので、酸化に強く、他の油と違って、カラッと揚がる特徴があります。

油ものを食べると胸やけするという方にも、エクストラ・バージン・オリーブオイルで揚げた天ぷらを試してみていただきたいと思います。オリーブオイルは、他の大半の食用油と異なり、胃や消化器系に負担をかけない(かけにくい)油となります。

オイルの使用量についても、昔あった(今もあるとは思いますが)、家庭で天ぷらを揚げるための UFO のような形をした大きめの天ぷら用鍋を使うようなディープフライでは、多量のオリーブオイルが必要になります。そのため、オリーブオイルの量を少なくすませるために、フライパンに浅く(1~2cmくらいで)オリーブオイルをひいて、揚げてみることをお勧めします。(パンフライといいます)イタリアなどオリーブオイルの本場では、このような揚げ方で調理しています。

高品質なエクストラ・バージン・オリーブオイルは、生で食べたたり、料理にかける使用法が大道ではありますが、天ぷらを揚げるのにも、実はお勧めのオイルなのです。

また、以下のように、大容量でも比較的安価なエクストラ・バージン・オリーブオイルがあります。(精製されたピュアオイルではなく、エクストラ・バージンです)

AILIA (アウリア) エクストラバージン・オリーブオイル 1L

BIO PLANETE 有機 エクストラバージン・オリーブオイル 1L

ソルデルリマリ エクストラバージン・オリーブオイル 500ml 

是非、お試しになってみてください!

2021年6月24日木曜日

エクストラバージン・オリーブオイルのシングルエステート(Single Estate)

エクストラバージン・オリーブオイルのボトルを、まじまじとご覧になったことはありますか?

日本で販売されているエクストラバージン・オリーブオイルは、日本語のラベルが貼ってありますが、一部に英語やイタリア語の表記が残っていることがあります。その中に、"Produced and bottled by 社名(農園名)" の記載を見ることがあります。

例えば、当社で販売している、高品質なエクストラバージン・オリーブオイルの一つに、「マンドラノーヴァ」があります。このボトルには、"Produced and bottled by AZIENDA AGRICOLA MANDRANOVA" とあります。このようなオイルは、シングルエステートのオイルといい、自社栽培、自社ボトリングであることを表しています。

農園、栽培、収穫、製造、出荷までの全てのプロセスを、自社でコントロールしているという、ワンランク上のオリーブオイルとなります。ワンランク上といいますか、これが本来の姿なのかもしれませんが、流通する大部分のエクストラバージン・オリーブオイルはそうではありません。

そうではない部分を説明すると長くなりますので、また別の機会に書きたいと思います。ここでは、シングルエステートのエクストラバージン・オリーブオイルは、そうではないオイルと比較して、"非常に高品質であることが期待できる" と理解しておいていただければと思います。

関連ではありますが、紅茶の世界にも、「シングルエステート」という言葉があります。エクストラバージン・オリーブオイルのシングルエステートと意味は近いのですが、紅茶の世界でのシングルエステートとは、「単一茶園、「単一農園」のことを意味します。ひとつの茶園で作られたお茶だけでパッケージされたもので、他の茶園のお茶とブレンドをしていないものです。

詳細の情報がこちらにありますので、興味のある方はご覧になってみてください。https://organic-tea.ocnk.net/page/4

シングルエステートを堂々と表記しているエクストラバージン・オリーブオイルを見ると、私はとてもワクワクします。きっと農園の自慢の、素晴らしいオイルなのだと思います。

2021年1月18日月曜日

タジャスカ種のオリーブオイル 入りました!

昨年は入荷がなかった [タジャスカ種]の エクストラバージン・オリーブオイル、入荷しました!

以前に書きましたが、 [タジャスカ種]は、繊細かつ、まろやかなオリーブオイルです。パンにつけたりイタリアンには強くて風味のいいものをチョイスするのですが、強いオイルは少し休憩したいときの救世主として、このオイルは重宝しています。

北イタリア、リグーリア州の高度430mの山の傾斜で栽培されたオリーブの実から搾られたオリーブオイルです。リグーリアのオイルって、どれも軽くていいのですが、このタジャスカ種のものは、 香りや味の主張がほとんどなく、素材の良さを一切、邪魔しません。

フランス料理、和食など、オイルを食べていると感じるのではなく、素材の風味を純粋に楽しみたい料理を引き立てる、特別な1本としてお勧めしています。ドレッシングなどにもいいですね!

2020年11月1日日曜日

オリーブオイルの蓋(キャップ)が開かないときは!?

オリーブオイルのキャップが開かなくて、どうしよう、と思ったことはないですか?

当店では、毎年、十数種類のオイルを試しますが、あたる時には、1~2本はこのようなオイルのキャップにあたります。これは結構な頻度だと思うのです。(全くあたらない年もあります。また、同種のボトルでも改良がされていて、翌年はキャップ形状や瓶自体から変更になっていることもあります)

キャップが開かないというのは、以下の2つの事例があります。

1つは、キャップが固すぎて、手が滑り、キャップを回せないというものです。こちらは、乾いたタオルをキャップにかぶせて回したり、輪ゴムを何重かに強くまいて滑り止めにするなどして、なんとか開けることはできると思います。または、力のつおい人に頼んで開けてもらこともできるので、そう大した問題ではないです。

困るのは、もう1つの場合です。キャップがくるくる回って、いつまでたってもキャップがとれないというものです。

私は最初、これを経験したときに、すごく焦りましたよ! いざ、オリーブオイルを使おうとワクワクしている時に、キャップを回すと、あらあら、いつまでたっても、クルクル、くるくる、クるクる。。。

私は、最初、キャップをペンチで挟んで回してみたり、(なお、より一層、開かなくなりました)、上に引っ張ってみたりもしていました。上に引っ張って開くものは、キャップと瓶口の寸法があっておらず、ゆるゆるです。開けるというか、キャップがスポっと抜けるようなものです。これはあまりよろしくなく、ラベルを読むためにボトルを横に傾けると、液漏れすることがあります。

このようなことを防ぐため、当店ではオリーブオイルの入荷後、まずはオイルのラベルを読むような角度にボトルを傾けて、しばらく置いておきます。これで液漏れを発見した場合、そのオイルは引き上げますので、お客様に販売することはございません。(万一、販売してしまった場合には、もちろん交換いたしますが、そもそもの形状に問題があり、交換しても同じ場合には返品をお受けしております)

キャップがくるくる回って開かないというのは、キャップとボトルを締め付けているキャップ台座の間にある "ミシン目" が切れないことが原因です。この台座ごと、キャップ部分と一緒にクルクルまわるので開かないのです。

(現在の金属系台座では、締め付けが強い4方向押さえが主流ですが、一部のキャップでは、3方向押さえのタイプもまだまだ存在しています)

このようなキャップは、構造上の問題で、不良品ではありません。キャップ自体はきちんと閉まっており、外気からは遮断されています。(液漏れがある場合は除く)

さて、それでは、どうやって開けるのかですが、プラスチックキャップの場合、キャップ台座を指で押さえることができれば、そのままキャップを回して、簡単に開けることができると思います。

プラスチックキャップの場合でも、指で押さえることができない(指が入るスペースがない)場合や、金属系の台座の場合には、キッチンばさみを使用すると簡単です。

キッチンばさみのギザギザの部分で、キャップ台座を挟んでしっかり押さえ、その状態でキャップを回せば、こちらも簡単に開けることができると思います。

ミシン目を切るために、カッターで切る、という方がいますが、指を切る危険性がありますので、これは最終手段にしてくださいね。カッターを使う場合でも、カッターを引いてミシン目を切るというよりかは、カッターをミシン目にあてて、親指で "押し当てる" ように切っていきます。

キャップが開かなくて発狂する前に、まずは、上記の方法をお試しになってみてください!

2020年10月31日土曜日

エキストラバージン・オリーブオイルを摂る理由

エキストラバージン・オリーブオイルは健康によいとされています。その理由はいろいろあるのですが、私は主に2つあると思います。

1つ目は、糖質の影響を最小限にできることです。

白パンや白パスタなどの糖質を食べてしばらくすると、急激な血糖値の上昇があり、これを「血糖値スパイク」というのだそうです。血糖値が上昇する状態を長期的に繰り返すと、血管の内側の壁が傷み、いろいろな疾患のもととなることが様々な研究での追跡調査でわかっています。

このような血糖値の急上昇は、糖質とオリーブオイルを一緒に食べることで、抑えられることがわかっています。オリーブオイルでなくても、バターなどの他のオイルでもいいのですが、調べられた中では、オリーブオイルがもっとも効果があったそうです。

糖質とオリーブオイルはセットで摂取すると覚えておけばいいのではないでしょうか。ただし、オイルはオイルですので、ほどほどにいたしましょう!

そして2つ目は、ポリフェノール類が摂取できることであると思います。

オリーブオイルは、オメガ9系のオイルですので、必須脂肪酸ではありません。必要なら、体内で作り出すことができるとされています。では、なぜオリーブオイルなのかというと、エキストラバージン・オリーブオイルは、熱処理されていない、自然のままの状態でポリフェノール類を摂取できるからです。

ポリフェノール類、特に、オレウロペインやオレオカンタールという成分は、オリーブオイルに特徴的な微量成分で、抗酸化力が大変高く、血中コレステロールの酸化を防ぎ、動脈硬化などの血管系の疾患を予防するという研究結果もあります。

ただし、上記のような成分をきちんと摂取できるのは本当のエキストラバージン・オリーブオイルに限ります! 微量成分は、健康的な特性を備えており、結構重要なのですね。ここは是非とも、品質にこだわりたいところです。苦味や辛味が強いほうが、より多くのポリフェノール類を含んでいます。

2020年10月30日金曜日

果肉からとれるオイルはオリーブオイルだけ?

オリーブオイルが他の植物性油脂と異なるのは、「唯一」果実から得られる、という情報に出会ったことはないでしょうか?ここでの果実とは、正しくは、果肉のことを指していますね。多くの食用油が種子から得られることに対して、オリーブオイルだけは特別である、ということのようです。

仕事柄、オイルのことを調べていると、いろんなウェブサイトで、上記のような情報に出会います。果肉から得られる油は、オリーブオイルが唯一ではなく、他にもあります。

アボカドオイルは、種子からではなく、アボカドの果肉から得られます。アボカドを食べてみるとわかりますが、油分を多く感じますね。(当店での取扱いがあります)

それと、ココナッツオイルや、パーム油もそうです。果肉からオイルが得られます。中心部の種子からも油が得られますが、こちらは核油となります。

他の部位から得られるものとして、こめ油やコーン油は、胚芽から得られます。胚芽といえば、栄養素の宝庫ですよね。

日本では、菜種油、ごま油、こめ油、えごま油などがよく利用されていますが、世界には、本当にたくさんの種類のオイルがあります。オリーブオイルが苦手な方は、クセがほとんどなく、加熱もOKな、「マカダミアナッツオイル」はいかがでしょうか。(できれば、オリーブオイルをジャンジャン使ってほしいの!)

2020年10月29日木曜日

オリーブオイルの収穫時期と収獲年表示の関係

毎年のオリーブの収穫時期は、早いところでは10月に、多くの地域では、11月初旬に始まります。そして、年が明けての2月初旬まで続きます。(その年の初摘みのものは、特にヌーヴォーとして製造されることがあります)この期間の間に収穫され、製品化されたオイルは、"今シーズンもの" となります。

オリーブオイルのラベル表示としては、丁度、今の時期であれば、「Harvest 2020(ロットNo)」や「2020 VT」となります。ヌーヴォーオイルの場合には、年を越したオイルと混ぜることはまずありませんので、今の時期のものであれば、Harvest 2020(ロットNo)のみとなります。

来年になった時点で、昨年(2020年秋)に収穫されたものと、当年(2021年1月~2月)に収穫されたものとを一緒に瓶詰めする場合は、Harvest 2020/2021、2020-2021VT のように表示されます。(イタリアでは、2020/2021 と「年/年」で表示する決まりがあるそうです)

Harvest(ハーヴェスト) は「収穫」、VT(Vintage:ヴィンテージ)は、原料になったオリーブの「収穫年」を表しますが、どちらも同じ意味です。

ワインでの「ヴィンテージ」とは、Wikipedia によると、次の記載があります。

「ワインにおいて、ぶどうの収穫から醸造を経て、瓶詰めされるまでの工程を表す言葉である。語源はフランス語の"vendange"で、さらに遡ればラテン語の「ぶどうを収穫する」という意味からきている。ワインに使われているぶどうの収穫年の記載のこともヴィンテージと呼ばれる。(中略)当たり年のワインの事を「ヴィンテージ・ワイン」と呼ばれ、高級ワインの代名詞である」

オリーブオイルの 2020 VT というと、何か特別な当たり年のオイルということではなく、単に収穫年が 2020年のオリーブが原料であることを表しています。

2020年10月28日水曜日

オリーブオイルのノンフィルター(無濾過)とフィルターの違い

オリーブオイルのヌーヴォー(ノヴェッロ)は、少しとろりとしたものを感じることがあります。これは、澱(非常に細かい果実)を含むためです。オリーブの風味を最大限に残すために、フィルターをしていないか、最小限で済ませています。

高品質なオリーブオイルは、サラサラしているものだと思われている方にとっては、このような食味に、驚かれることがあります。劣化したオイルは、油っぽくなったり、黄色が強くなったり、濁っていたり、トロっとしてくる、という情報を見たからだそうです。

ヌーヴォーオイルについては、製法にもよりますが、若干の濁りやとろみがあるものです。オリーブを搾ったままの風味 "オリーブジュース" を楽しんでいただくものだからです。ジュースといっても、実際には、果物のジュースのようになっているのではありません。ゴクゴクと多量に飲むものでもありません。オリーブは油分が多い果実ですので、油分と水分を分離してオイルになるのです。(オリーブがオリーブオイルになるまでには、実際にはただ搾るだけではなく、様々な工程があります)

オリーブオイルの風味を決める要素としては、オリーブの品種ということ以外には、フィルターの方式にもよります。

一般的なオリーブオイルは、フィルターで澱をなるべくなくして、品質を一定にし、長期間保存できるようにします。(だからこそ、そうではないヌーヴォーオイルは、年に一度のお楽しみで、貴重なものとなります)

ノンフィルターオイルといっても、搾ったオイルをそのまま瓶詰めするものや(このようなオイルは、搾油所で搾ったそのままを試飲するようなもので、市場に出回ることはほとんどないそうです)、ノンフィルターの一種で、デカンティングという方法もあります。

搾ったオイルをタンクに入れて静置させてからしばらくすると、下のほうに澱が沈殿してきます。この時、上澄みのオイルを取得して、別のタンクに移し替えて、また沈殿ができるのを待ちます。そしてまた上澄み部分を取得して、というふうに澱を取り除いていきます。

このような方法をデカンティングといい、フィルター装置を使わずに、澱だけを取り除きながら、オリーブ本来の風味を残すことができます。こうすることで、ノンフィルターでありながら、サラサラした感じとなり、品質保持期間(つまり賞味期限)も長くとることができるようになります。ヌーヴォーではない通常品でも、ノンフィルターとされているものがありますが、このような方法で実現しています。

フィルターするか、フィルターしないかは、どのような風味のオイルを作るかという生産者やメーカーの好みであって、どちらが優れているかということではないそうです。(消費者の好みもありますね)

因みに、ヌーヴォーでも、品質保持の観点から、ある程度のデカンティングはされるところが多いです。その期間や頻度はそれぞれです。

当店で取り扱いの天然醸造酢で、静置発酵 上澄み無濾過がありますが、同じようなものです。澱引き剤、濾過剤は使用せず、濾過をしたのと同じような効果で、本来の風味をそのまま残しています。

ノンフィルター、フィルター、デカンティング、それぞれに良さがあります。

今回はふれていませんが、オイルの取り出し方として、伝統的な圧搾方法、遠心分離法、パーコレーション法、そして、近年の最新式として、水と油の表面張力の差で、熱を加えずにオイルを抽出するシノレア式法などがあります。これらは、フィルターするか、しないかの判断にも関わってくることだそうで、またの機会にご紹介したいと思います。