2020年11月1日日曜日

オリーブオイルの蓋(キャップ)が開かないときは!?

オリーブオイルのキャップが開かなくて、どうしよう、と思ったことはないですか?

当店では、毎年、十数種類のオイルを試しますが、あたる時には、1~2本はこのようなオイルのキャップにあたります。これは結構な頻度だと思うのです。(全くあたらない年もあります。また、同種のボトルでも改良がされていて、翌年はキャップ形状や瓶自体から変更になっていることもあります)

キャップが開かないというのは、以下の2つの事例があります。

1つは、キャップが固すぎて、手が滑り、キャップを回せないというものです。こちらは、乾いたタオルをキャップにかぶせて回したり、輪ゴムを何重かに強くまいて滑り止めにするなどして、なんとか開けることはできると思います。または、力のつおい人に頼んで開けてもらこともできるので、そう大した問題ではないです。

困るのは、もう1つの場合です。キャップがくるくる回って、いつまでたってもキャップがとれないというものです。

私は最初、これを経験したときに、すごく焦りましたよ! いざ、オリーブオイルを使おうとワクワクしている時に、キャップを回すと、あらあら、いつまでたっても、クルクル、くるくる、クるクる。。。

私は、最初、キャップをペンチで挟んで回してみたり、(なお、より一層、開かなくなりました)、上に引っ張ってみたりもしていました。上に引っ張って開くものは、キャップと瓶口の寸法があっておらず、ゆるゆるです。開けるというか、キャップがスポっと抜けるようなものです。これはあまりよろしくなく、ラベルを読むためにボトルを横に傾けると、液漏れすることがあります。

このようなことを防ぐため、当店ではオリーブオイルの入荷後、まずはオイルのラベルを読むような角度にボトルを傾けて、しばらく置いておきます。これで液漏れを発見した場合、そのオイルは引き上げますので、お客様に販売することはございません。(万一、販売してしまった場合には、もちろん交換いたしますが、そもそもの形状に問題があり、交換しても同じ場合には返品をお受けしております)

キャップがくるくる回って開かないというのは、キャップとボトルを締め付けているキャップ台座の間にある "ミシン目" が切れないことが原因です。この台座ごと、キャップ部分と一緒にクルクルまわるので開かないのです。

(現在の金属系台座では、締め付けが強い4方向押さえが主流ですが、一部のキャップでは、3方向押さえのタイプもまだまだ存在しています)

このようなキャップは、構造上の問題で、不良品ではありません。キャップ自体はきちんと閉まっており、外気からは遮断されています。(液漏れがある場合は除く)

さて、それでは、どうやって開けるのかですが、プラスチックキャップの場合、キャップ台座を指で押さえることができれば、そのままキャップを回して、簡単に開けることができると思います。

プラスチックキャップの場合でも、指で押さえることができない(指が入るスペースがない)場合や、金属系の台座の場合には、キッチンばさみを使用すると簡単です。

キッチンばさみのギザギザの部分で、キャップ台座を挟んでしっかり押さえ、その状態でキャップを回せば、こちらも簡単に開けることができると思います。

ミシン目を切るために、カッターで切る、という方がいますが、指を切る危険性がありますので、これは最終手段にしてくださいね。カッターを使う場合でも、カッターを引いてミシン目を切るというよりかは、カッターをミシン目にあてて、親指で "押し当てる" ように切っていきます。

キャップが開かなくて発狂する前に、まずは、上記の方法をお試しになってみてください!

2020年10月31日土曜日

エキストラバージン・オリーブオイルを摂る理由

エキストラバージン・オリーブオイルは健康によいとされています。その理由はいろいろあるのですが、私は主に2つあると思います。

1つ目は、糖質の影響を最小限にできることです。

白パンや白パスタなどの糖質を食べてしばらくすると、急激な血糖値の上昇があり、これを「血糖値スパイク」というのだそうです。血糖値が上昇する状態を長期的に繰り返すと、血管の内側の壁が傷み、いろいろな疾患のもととなることが様々な研究での追跡調査でわかっています。

このような血糖値の急上昇は、糖質とオリーブオイルを一緒に食べることで、抑えられることがわかっています。オリーブオイルでなくても、バターなどの他のオイルでもいいのですが、調べられた中では、オリーブオイルがもっとも効果があったそうです。

糖質とオリーブオイルはセットで摂取すると覚えておけばいいのではないでしょうか。ただし、オイルはオイルですので、ほどほどにいたしましょう!

そして2つ目は、ポリフェノール類が摂取できることであると思います。

オリーブオイルは、オメガ9系のオイルですので、必須脂肪酸ではありません。必要なら、体内で作り出すことができるとされています。では、なぜオリーブオイルなのかというと、エキストラバージン・オリーブオイルは、熱処理されていない、自然のままの状態でポリフェノール類を摂取できるからです。

ポリフェノール類、特に、オレウロペインやオレオカンタールという成分は、オリーブオイルに特徴的な微量成分で、抗酸化力が大変高く、血中コレステロールの酸化を防ぎ、動脈硬化などの血管系の疾患を予防するという研究結果もあります。

ただし、上記のような成分をきちんと摂取できるのは本当のエキストラバージン・オリーブオイルに限ります! 微量成分は、健康的な特性を備えており、結構重要なのですね。ここは是非とも、品質にこだわりたいところです。苦味や辛味が強いほうが、より多くのポリフェノール類を含んでいます。

2020年10月30日金曜日

果肉からとれるオイルはオリーブオイルだけ?

オリーブオイルが他の植物性油脂と異なるのは、「唯一」果実から得られる、という情報に出会ったことはないでしょうか?ここでの果実とは、正しくは、果肉のことを指していますね。多くの食用油が種子から得られることに対して、オリーブオイルだけは特別である、ということのようです。

仕事柄、オイルのことを調べていると、いろんなウェブサイトで、上記のような情報に出会います。果肉から得られる油は、オリーブオイルが唯一ではなく、他にもあります。

アボカドオイルは、種子からではなく、アボカドの果肉から得られます。アボカドを食べてみるとわかりますが、油分を多く感じますね。(当店での取扱いがあります)

それと、ココナッツオイルや、パーム油もそうです。果肉からオイルが得られます。中心部の種子からも油が得られますが、こちらは核油となります。

他の部位から得られるものとして、こめ油やコーン油は、胚芽から得られます。胚芽といえば、栄養素の宝庫ですよね。

日本では、菜種油、ごま油、こめ油、えごま油などがよく利用されていますが、世界には、本当にたくさんの種類のオイルがあります。オリーブオイルが苦手な方は、クセがほとんどなく、加熱もOKな、「マカダミアナッツオイル」はいかがでしょうか。(できれば、オリーブオイルをジャンジャン使ってほしいの!)

2020年10月29日木曜日

オリーブオイルの収穫時期と収獲年表示の関係

毎年のオリーブの収穫時期は、早いところでは10月に、多くの地域では、11月初旬に始まります。そして、年が明けての2月初旬まで続きます。(その年の初摘みのものは、特にヌーヴォーとして製造されることがあります)この期間の間に収穫され、製品化されたオイルは、"今シーズンもの" となります。

オリーブオイルのラベル表示としては、丁度、今の時期であれば、「Harvest 2020(ロットNo)」や「2020 VT」となります。ヌーヴォーオイルの場合には、年を越したオイルと混ぜることはまずありませんので、今の時期のものであれば、Harvest 2020(ロットNo)のみとなります。

来年になった時点で、昨年(2020年秋)に収穫されたものと、当年(2021年1月~2月)に収穫されたものとを一緒に瓶詰めする場合は、Harvest 2020/2021、2020-2021VT のように表示されます。(イタリアでは、2020/2021 と「年/年」で表示する決まりがあるそうです)

Harvest(ハーヴェスト) は「収穫」、VT(Vintage:ヴィンテージ)は、原料になったオリーブの「収穫年」を表しますが、どちらも同じ意味です。

ワインでの「ヴィンテージ」とは、Wikipedia によると、次の記載があります。

「ワインにおいて、ぶどうの収穫から醸造を経て、瓶詰めされるまでの工程を表す言葉である。語源はフランス語の"vendange"で、さらに遡ればラテン語の「ぶどうを収穫する」という意味からきている。ワインに使われているぶどうの収穫年の記載のこともヴィンテージと呼ばれる。(中略)当たり年のワインの事を「ヴィンテージ・ワイン」と呼ばれ、高級ワインの代名詞である」

オリーブオイルの 2020 VT というと、何か特別な当たり年のオイルということではなく、単に収穫年が 2020年のオリーブが原料であることを表しています。

2020年10月28日水曜日

オリーブオイルのノンフィルター(無濾過)とフィルターの違い

オリーブオイルのヌーヴォー(ノヴェッロ)は、少しとろりとしたものを感じることがあります。これは、澱(非常に細かい果実)を含むためです。オリーブの風味を最大限に残すために、フィルターをしていないか、最小限で済ませています。

高品質なオリーブオイルは、サラサラしているものだと思われている方にとっては、このような食味に、驚かれることがあります。劣化したオイルは、油っぽくなったり、黄色が強くなったり、濁っていたり、トロっとしてくる、という情報を見たからだそうです。

ヌーヴォーオイルについては、製法にもよりますが、若干の濁りやとろみがあるものです。オリーブを搾ったままの風味 "オリーブジュース" を楽しんでいただくものだからです。ジュースといっても、実際には、果物のジュースのようになっているのではありません。ゴクゴクと多量に飲むものでもありません。オリーブは油分が多い果実ですので、油分と水分を分離してオイルになるのです。(オリーブがオリーブオイルになるまでには、実際にはただ搾るだけではなく、様々な工程があります)

オリーブオイルの風味を決める要素としては、オリーブの品種ということ以外には、フィルターの方式にもよります。

一般的なオリーブオイルは、フィルターで澱をなるべくなくして、品質を一定にし、長期間保存できるようにします。(だからこそ、そうではないヌーヴォーオイルは、年に一度のお楽しみで、貴重なものとなります)

ノンフィルターオイルといっても、搾ったオイルをそのまま瓶詰めするものや(このようなオイルは、搾油所で搾ったそのままを試飲するようなもので、市場に出回ることはほとんどないそうです)、ノンフィルターの一種で、デカンティングという方法もあります。

搾ったオイルをタンクに入れて静置させてからしばらくすると、下のほうに澱が沈殿してきます。この時、上澄みのオイルを取得して、別のタンクに移し替えて、また沈殿ができるのを待ちます。そしてまた上澄み部分を取得して、というふうに澱を取り除いていきます。

このような方法をデカンティングといい、フィルター装置を使わずに、澱だけを取り除きながら、オリーブ本来の風味を残すことができます。こうすることで、ノンフィルターでありながら、サラサラした感じとなり、品質保持期間(つまり賞味期限)も長くとることができるようになります。ヌーヴォーではない通常品でも、ノンフィルターとされているものがありますが、このような方法で実現しています。

フィルターするか、フィルターしないかは、どのような風味のオイルを作るかという生産者やメーカーの好みであって、どちらが優れているかということではないそうです。(消費者の好みもありますね)

因みに、ヌーヴォーでも、品質保持の観点から、ある程度のデカンティングはされるところが多いです。その期間や頻度はそれぞれです。

当店で取り扱いの天然醸造酢で、静置発酵 上澄み無濾過がありますが、同じようなものです。澱引き剤、濾過剤は使用せず、濾過をしたのと同じような効果で、本来の風味をそのまま残しています。

ノンフィルター、フィルター、デカンティング、それぞれに良さがあります。

今回はふれていませんが、オイルの取り出し方として、伝統的な圧搾方法、遠心分離法、パーコレーション法、そして、近年の最新式として、水と油の表面張力の差で、熱を加えずにオイルを抽出するシノレア式法などがあります。これらは、フィルターするか、しないかの判断にも関わってくることだそうで、またの機会にご紹介したいと思います。

2020年10月27日火曜日

エレガントなフランス産のオリーブオイル

以前に「オリーブオイルの酸度について」の記事の中で、以下のことを書きました。

”オリーブオイルの新鮮さは、オリーブの摘み取り後、どれだけ早く搾油するかで、ほぼ決まります。(フランス産など、一部例外はあります。摘んだオリーブをコントロール下で数日間寝かせてから搾る製法もあります)”

今回は、一部例外となる、このフランス産のオリーブオイルについて紹介します。

今や、どこの国のオリーブオイルも、オリーブの収穫後、できるだけ早く圧搾することが大前提となっていますが、フランスでは一風変わっていて、新鮮なまま搾るものと、熟成させてから搾るものとがあります。

まず、新鮮なまま搾る「フリュイテ・ヴェール(Fruite vert)」があります。これは、収穫後はなるべく早く圧搾をする、通常のオリーブオイルの製造方法と同じです。

そして、今回の話題となる「フリュイテ・ノワール(Fruite noir)」があります。

こちらは「熟成」を意味しており、収穫・選別・洗浄した後は、厳格な温度管理のもと、数日間、キュベの中で貯蔵・発酵させてから圧搾します。デカンテーション(沈殿物と液体を分離する操作のこと)やフィルター処理もキュベの中で行われ、品質には最大限の注意が払われます。

オリーブの貯蔵期間は、メーカーによって異なりますが、早いところで2日、長いところでは5日というところもあります。

キュベ(Cuvee)とは、フランス語で「発酵槽」のことです。TVなどで、ワインを発酵させるためのタンクや、樽が積み重ねられている光景をみることがあると思います。その中でオリーブを発酵させているのです。これは驚きですね!

フランスでのオリーブの収穫は、年を越した1月からのやや遅めの時期で、オリーブは完熟となっています。既に、ポリフェノールなどの抗酸化成分が少なくなり、苦味や辛味も少なくなっています。そのオリーブをさらに熟成させるために貯蔵しますので、その間にも、ポリフェノールは減少していきます。

ですが、それと引き換えに、とてもマイルドというのか、苦味や辛味はほとんど感じられないオイルになっています。完熟オリーブの風味がフワッ~と広がり、濃厚で、甘みのある余韻も楽しむことができます。

当店では、フランス産「フリュイテ・ノワール(Fruite noir)」オリーブオイルの取扱いがあります。

オリーブオイルにあまり馴染みのない方や、通常のオリーブオイルの独特な風味が苦手な方でも「これならいける!」というお声をいただきます。もちろん、苦くて辛くて、スパイシーでストロ~ングなオイルがお好きな方にも、フリュイテ・ノワールはきっと満足いただけるものと思います。"タイプの異なる美味しさ" です。

私にとっては、フリュイテ・ノワールで、新たなオリーブオイルの世界が拓けました。是非一度お試しください!

2020年10月26日月曜日

スペイン発、エキストラバージン・オリーブオイルの品質認証制度

現在、エキストラバージン・オリーブオイルの規格は、IOC(国際オリーブオイル協会)によって定められたものが世界標準となっていますが、近年、スペインでは、それよりも厳しい規格基準を定めた「QvExtra!」という品質認証制度がスタートしています。( https://qvextra.es/ )

QvExtra! の品質基準を満たしているエキストラバージン・オリーブオイルは、「SIQEV(シークイーブ)」のマークが表示されます。

例えば、理化学特性では、IOCの定めた酸度は 0.8% 以下ですが、QvExtra! では 0.3% 以下でなければなりません。過酸化物価においては、IOC の 20ミリ当量以下に対して、11ミリ当量以下となります。(以前に書いたことですが、酸度が 0.8以下や、過酸化物価が 20 以下というのは少々緩い基準と思います。が、あくまでも基準ですので、大部分の高品質なエキストラバージン・オリーブオイルは、この数値を大きく下回っていることを申し添えておきます)

ポリフェノールの含有量に関しては、IOCでは最低レベルは要求されていませんが、QVExtra! では、最低 200 以上のポリフェノール量としています。

官能的評価においても、卓越した味わい、本物のアロマを保証しており、サンプルの採取から管理に至るまで、それを専門とする第三者機関にて実施されています。(卓越性の保証: https://qvextra.es/garantia-de-excelencia/ )

当店では、この SIQEV マークのついているエキストラバージン・オリーブオイルが2点あります。

その2点の手元のデータをみてみると、1点目は、搾油は最短20分で、最も遠い場所での摘み取りでも2 時間以内に製造開始、酸度は 0.16% です。

もう1点のほうは、収穫後 30 分以内に圧搾可能な最新設備で生産されています。理化学分析数値をみてみると、酸度 0.17%、過酸化物価は 2.8 と、非常に低いことがわかります。オレイン酸量は 80.4% です。このオイルのメーカーは、スモークポイントは 218℃ と記載しています。揚げ物などの加熱調理にも充分利用可能ですね。

このように新たな規格ができて、より高品質なエキストラバージン・オリーブオイルを楽しむことができるのは、本当に素晴らしいことと思います。今後、世界的に拡大していくのかどうか、みていきたいと思います。

2020年10月25日日曜日

食品選択の視点

 当店(フレーバーネットMC)は、自然食品・オーガニック食品、無添加食品の販売を主体としていますので、健康に気を遣っている方、食にこだわりのある方、食に携わっているプロの方などが主なお客様となっております。(農家の方、養蜂家の方、料理教室の先生、マクロビ講師の方、各種ソムリエの方なども)

そんなわけで、オリーブオイル専門店MCで取り扱うオリーブオイルも、フレーバーネットMCの方針にそって、有機認証の有る無しに関わらず、大部分が自然栽培、オーガニック栽培、バイオダイナミック農法などを実践しているオリーブを原料にした商品です。(一部、無農薬でなかったり、通常は有機農法で栽培するも、どうしても必要な場合に限り、極少量散布することが認められているリュット・レゾネ農法の商品もあります)

オリーブオイルは、オリーブの果実をそのまま搾るオイルですので、加工時に洗浄されるとはいえ、完全に農薬などの化学物質が混入することを防ぐのは難しいと思うのです。農薬が表皮内や果実にまで浸透している可能性もあります。(アロマを優先するため、バイオダイナミック栽培の安全安心なオリーブを用いて、あえて洗浄工程を行わない製品もあります。当店で取扱いがあります)

5年ほど前には、基準値超えの残留農薬が検出されたエキストラバージン・オリーブオイルが回収になった事例がありました。また、NPO の EWG(Environmental Working Group)が、果物と野菜の残留農薬の量を毎年調査し、その結果をウェブページで公表しています。

詳細はこちらを参照いただければと思うのですが(MARCH 25, 2020: https://www.ewg.org/foodnews/summary.php)、皮をむいて食べる野菜や果物においても、内部に農薬が残っているのだそうです。調査の前には、以下のような処理もされています。

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テストの前に、USDAは人々が家庭で行う傾向があるのと同じ方法で各果物または野菜を処理します。例えば、食べられない皮のあるものは皮をむき、食べられる皮のあるものは冷水ですすぎ、試験前に水気を切る。したがって、USDAのテスト結果は、消費者の曝露の可能性を示す良い指標です。(Google Chrome 翻訳のまま)

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そのため、可能であるならば、よりリスクの少ない、環境にも配慮して栽培された食品を食べて、そのような農業を実践してくださっている方々を応援することも、私たちの重要な役目であると思うのです。

もっとも、農薬の使用は、食品そのものの安全性というよりも、農業に携わっている方々の健康上の問題であるとの指摘もあり、過度な心配は不要との情報もあります。結局は私たちの選択の問題となりそうですが、選択するには、知る必要があります。

今回はオリーブオイルの話題から少しそれてしまいましたが、食と健康、環境についても、これからも大切に考えていきたいと思います。

「人間の身体は食べたものからできている。」お客様には、より安全・安心な、健康にも寄与するとされる食品のご提供を行ってまいります。

2020年10月24日土曜日

寝かせて待っている間は、別の1本を!(捨てないで!)

普段は菜種油や米油を使っている方が、当店のマルシェにお越しになりました。

その方のお話によると、以前、"オリーブオイルは健康にいいらしい" とTVで見て、「少し高価なイタリア産のオリーブオイルを買ってみたけれど、苦くて辛くて無理だった、なんか悪くなっていたのかしらね」とのことでした。そのオイルはどうされたかを伺うと、結局、使わないまま、捨ててしまったそうです。

オリーブオイルのことを少しご存知の方でしたら、"苦くて辛い"(フルーティーと表現されることも)は、高品質なオリーブオイルの証でもあるのですが、オリーブオイルが初めての方で、しかもこのような風味であったので、その方には受け入れられなかったのです。

イタリア中部のトスカーナ産やウンブリア産のオリーブオイルは、このような苦くて辛い傾向にあります(主に、モライオーロ種。フラントイオ種やレッチーノ種を混ぜて、苦みのバランスをとることもありますが、それでも結構苦いと思います)。そのため、肉系に合わせるなど、料理を選ぶオイルになります。上記の事例からも、やはり、試食の必要性を感じるところです。(どうか、オリーブオイルを嫌いにならないでください!)

オリーブオイルは(オリーブの実についてもいえることですが)、人によっては、もともと少々慣れが必要な食べ物だと思います。

基本的に、「"苦くて辛い" = "高ポリフェノール" = "健康にいいオリーブオイル" 」となりますが、近年では、高ポリフェノールで商品価値を高めるためか、早摘みでスパイシー系のオリーブオイルが多くなってきているように感じます。

当店での、苦みの極みともいえるものは、チュニジア産のシェトウィ種 100% のオイルです。開封して、スプーンでひと口、何か悪いものでも口にしたのかと思うような(とは言い過ぎですが)強い苦みがあります。インポーターさんによると、この苦みがクセになり、リピーターさんも多いとのことです。(はい、私もこの風味は大好きです)

では、このような、"苦くて辛い"オリーブオイルにあたってしまい、食べられなかったときには、どうすればいいのでしょうか。

開封後、キャップはきちんと閉めたまま、1~2か月おいておき、その後、味見をしてみてください。そこで食べられるようになればお使いいただき、それでもまだ無理であれば、更に1~2か月おいておき、を繰り返します。

そのうちに、ポリフェノールがだんだんと抜けてきて、美味しく食べられる日がくるものと思います。高ポリフェノールのオリーブオイルは、そう簡単には酸化しませんので、どうぞご安心ください。

そういえば1年ほど前に、当店で、チュニジア産のシェトウィ種100%のオリーブオイルを試食もなしに、購入されようとしたお客様がいらっしゃいました。当店のスタッフが、「こちらは、かなり苦いですよ! 試食なさいますか?」と申し上げると、「いえ、いいです、いいです」とおっしゃって、お買い上げになりました。

その後、大丈夫かな~~と心配していたのですが、その後も、リピートで「以前のあの苦いオリーブオイルは?」と同じオイルをお求めになったので、よかったのでしょうね。食の好みというのは、本当に人それぞれですね。

私どもは、お客様が心から「美味しい~~」と思えるオリーブオイルの選定をお手伝いさせていただきます!

2020年10月23日金曜日

オリーブオイル愛が強すぎますか?

以前、私の一番のお気に入りのオリーブ品種は、トンダイブレア種であることを書きました。それは、敢えて一番をあげればということで、他にも好きな品種はたくさんあります。

それは、もともとの品種それぞれの良さもありますが、オリーブ栽培や農場に携わる方の不断の努力やオイルメーカーさんの素晴らしい搾油・製造技術ということが大きいのだと思います。本当に有難く思います。

私は生食が大半ですので、それぞれ大きく風味の異なるオリーブオイルが常に5~6本はあいていて、変化を楽しんでいます。何にでもジャンジャンかけるので、すぐになくなってしまいます。

「何か飲みますか?」と聞かれたら、「ではオリーブオイルを!」と言ってしまうくらい、好きなのです。そのため、「あなたはオリーブオイル愛が強すぎる!」と当店スタッフにいわれます...

さて、トンダイブレア種以外で、特に好きな単一品種を5つあげるとすると、以下になります。(順不同です)

[シェトウィ種]強い苦みが特徴。何か悪いものでも口にいれたか!?と思います。

[ノッチェラーラ種]鮮やかな深緑色、スパイシー、強いフルーティ感があります。

[イトラーナ種]風味豊かで、苦み・辛みは適度、フレッシュ感は抜群です。

[ピクアル種]フルーティーでスパイシーな、バランスの良さが特徴です。

[タジャスカ種]繊細かつまろやか、強いオイルは少し休憩したいときの救世主。

毎年、多くの種類のエキストラバージン・オリーブオイルを試食してラインアップを決めます。どうしても自分が好きな風味に偏りがちになりますので、そこは注意して、なるべくいろいろな地域の、いろいろな品種をラインアップできるように努めております。

どうぞ素敵なオリーブオイル・ライフをお楽しみください!

2020年10月22日木曜日

オリーブオイルは調味料としての利用がお勧めです!

オリーブオイルが真価を発揮するのは、調味料として使用するときだと思います。料理や味付けの幅が、格段に広がります。(もちろん、オリーブオイルを加熱調理に使うのも大変結構なことで、天ぷら、アヒージョ、炒め物、野菜やキノコの蒸し焼きなどもまた格別です!)

パンやパスタはもちろん(これは外せませんね!)、味噌汁、目玉焼き、納豆、豆腐、煮物、焼き魚、サラダ、肉など、何にでもオリーブオイルをかけていただきます。サラダの場合、オリーブオイルと塩だけでも美味しいのですが、バルサミコやワインビネガー、醤油などとあわせてのドレッシングがお勧めです。

出来上がった料理にオリーブオイルをかけてみて、どうも合わないなーと思われる方、オリーブオイルの種類を見直してみてください。

オリーブオイルは、香りの強いものから弱いもの、スパイシーなものからマイルドなものまで、本当に多くの種類があります。そのため、食材の味わいの傾向と極端に違う傾向のオイルとあわせたりすると、なんかしっくりこない、ということがあります。(逆に、とんでもなく極上の味わいになる可能性も秘めています)

基本的なポイントとしては、食材や料理の味わいの傾向と、オイルの風味の傾向を合わせるということです。こうすることで、互いの良さが引き立ちます。

例えば、肉料理やパスタなどでは、風味が強めのオイルをあわせます。和食では、マイルドなものを使用すると、オイルが主張し過ぎることがありません。パンにつけるときは、何でもあいますので、お好みに応じて、というところでしょうか。

最後に、オリーブオイルを使ったお勧めのドレッシングをご紹介します。1回につくる分量があまりにも少ないと作りにくいですので、4~5人分の分量としてご紹介します。(残ったドレッシングは冷蔵保管してお早めにお使いください)


1.最も簡単な、万能醤油ドレッシング

・醤油・・・1

・オリーブオイル・・・4~5(薄味が好きな方は、オリーブオイル6)

(醤油1に対して、オリーブオイル4から味見をしてみてください)


2.ごまドレッシング

・タヒーナ(練りごま)・・・大匙3

・穀物酢・・・大匙1

・醤油・・・小匙1

・粗糖・・・小匙1(甘めが好きな方は粗糖を追加で調整)

・自然塩・・・小匙1/3

・オリーブオイル・・・大匙2


3.バルサミコドレッシング

・バルサミコ酢・・・大匙2

・醤油・・・小匙2

・粗糖・・・小匙1(甘めが好きな方は粗糖を追加で調整)

・自然塩・・・小匙1/3

・コショウ・・・ほんの少々

・オリーブオイル・・・大匙2


4.フレンチドレッシング

・白ワインビネガー・・・大匙1

 (赤ワインビネガーでもいいと思います)

・粗糖・・・小匙1/2(甘めが好きな方は粗糖を追加で調整)

・自然塩・・・小匙1/3

・コショウ・・・ほんの少々

・オリーブオイル・・・大匙2


なお、自然塩は、岩塩でもいけます! 私はブラックソルトがお気に入りですが、ブラックソルトのイオウの香りで好みがわかれるかもしれません。その時には、ピンク岩塩でどうぞ。市販のドレッシングがいらなくなります(と思います)。

是非、お試しください!

2020年10月21日水曜日

どれがお勧めのオリーブオイルですか?

店頭でオリーブオイルを販売していると、「どれがお勧めですか?」と尋ねられることが結構あります。このような場合、私は、お客様のことを少し知りたいと思って、いくつかの質問をさせていただきます。

例えば、

・オリーブオイルをどのように使用されますか?(以前、お肌に塗る! という方がいて意表を突かれました。そういえば、椿油を販売していた時には、髪につけるという方も)

・生食用途ですか? 加熱用途ですか? どちらもですか? 使い分けられますか?

・普段からよく利用されていますか? 利用されている場合、どのような銘柄をご利用ですか?(似たような風味がいいですか? 全く異なる世界を体験されたいですか?)

オリーブオイルには、苦み、渋み、辛味、甘み、そして香りと、本当にそれぞれに個性があります。基本的に、エキストラバージン・オリーブオイルは高価ですので、なるべくお客様にマッチするオリーブオイルをお勧めしたいと思うのです。

オリーブオイル初心者の方で、特に風味やご予算に制限がない場合には、「トンダイブレア種 100%」のオリーブオイルをお勧めしています。

(この度のコロナ禍以前は、オリーブオイルの試食販売をしていました。タイプの異なる3種類を試食していただくと、お客様の表情から、だいたいどのタイプがお好みなのかがわかります)

私の一番の、お気に入りの品種は、トンダイブレア種です。青リンゴのような爽やかな風味で、苦すぎたり辛すぎたりということもなく、オリーブオイル独特のえぐみが苦手という方にも、自信を持ってお勧めできるオリーブオイルです。

そのせいか、トンダイブレア種の品揃えが一番多くなっています。トークにも力が入ります(すみません)。

以下は、全て、トンダイブレア種のオリーブオイルです。

・チンクエコッリ(CINQUE COLLI)

・ザハラ(ZAHARA)

・テッラリーヴァ(TERRALIVA)

・レ(RE)

・プリモ・ビオ(PRIMO BIO)

・プリモ DOP(PRIMO D.D.P.)

・プリンチペ(Principe)

ただ、同じトンダイブレア種でも、それぞれに個性がありますので、1本として同じ風味のものはありません(近いものはあります)。トンダイブレア種、是非ご賞味ください!

もちろん、他の品種のオリーブオイルも、美味しいものばかりです。

「どれがお勧めですか?」

「どれもお勧めです!」

2020年10月20日火曜日

開封したオリーブオイルの使用期限は?

 「開封済み」のエキストラバージン・オリーブオイルについて、その使用期限が気になるのではないかと思います。

ネットで検索してみると、1か月という期限があるかと思えば、3か月や6か月というものもあります。「いったいどれに従えばいいの?」と思われるかもしれません。

結論からいえば、どれも間違いではありません。なぜかというと、開封後の使用期限は、オリーブオイル自身の性向と、保管状態による劣化の度合いできまるからです。

オリーブオイル自身の性向について書きます。(オリーブオイルの保管の仕方については、ネット検索でたくさん情報が出てきますので、そちらをご参考ください)

ヌーヴォーなどの、澱や果実の断片が含まれるようなオリーブオイルの場合、これは素晴らしい風味を作るものであると同時に、不純物(というのか、いい言葉がみつかりません)でもあるわけです。そのため、劣化は早くなる傾向にあります。ヌーヴォーオイルは、新鮮なうちに(1~2か月程度で!)使い切ることをお勧めするオイルです。

早摘みや、酸度が低い、果実が新鮮なうちに加工された高品質なオリーブオイルでは、オレイン酸の含有量や総ポリフェノール量が多いので、比較的劣化は緩やかになります。このようなオリーブオイルでは、3~4か月くらいは充分に品質を保てると思います。

そして、オレイン酸の含有量や総ポリフェノール量が多いことに加えて、澱が限りなくゼロになるようフィルター(濾過)しているオイルだと、さらに酸化安定性が高くなり、6か月程度でも大丈夫なの「かも」しれません。(実際には、過酸化物価を計測する必要性があるのかもしれません。)

また、オリーブの品種によっても違います。例えば、酸化安定性の高い品種として知られるものに、ピクアル種やコロネイキ種があります。上記にあるように、オレイン酸の含有量や、総ポリフェノール量が多いので、長く品質を保てます。

ボトルの色や材質、注ぎ口の構造によっても違いが出ます。キャップを開けると、注ぎ口が全開になっているものから、一度注いで空気にふれたオイルがボトルに戻りにくくなっている構造のものもあります。[このような注ぎ口は、オイルの通り道ができるまで、なかなかオイルが出てこない場合があります。キャップを締めて、(逆さまにして)何度かボトルを振ると、出るようになります]つまり、酸素に触れる度合いが異なります。

空いているボトルでも、酸素がオイルに触れるのは、油の表面のみなので、日頃からちょくちょく使っているオイルだと、そう酸化が急速に進むわけでもないです。

そうなってくると、結局はどうなんだ!?ということになりますが、味覚、嗅覚が鋭い方は、使用期限は何か月ということではなく、ご自身の感覚を信じて、使用可否を判断されれば良いと思います。劣化したオイルは、なかなかに厳しい風味がします。

しばらく使用していないオリーブオイルの場合、注ぎ口やキャップの匂いをかぐと、酸化した油のにおいがすることがあります。これはとてもイヤな臭いなので、だいたいどなたでもわかります。そのような場合には、注ぎ口やキャップについているオイルをふきとってみてください。ボトルの中身のオイルは問題ないことが多いです。

味覚、嗅覚に自信のない方へのアドバイスとしては、保管状態がきちんとしていることを前提で、2か月程度、長くても3か月程度で使い切ってしまうことをお勧めいたします。3か月を過ぎてくると、炒め物や揚げ物など、加熱用途でお使いいただければと思います。

酸化(劣化)したオリーブオイルを摂り続けると、健康に悪影響を及ぼすとされていますので、とても注意が必要です。(食物油脂全般にいえることです)

健康効果が高いとされるオリーブオイルは、新しいうちに、お早めに消費してくださいね!

2020年10月19日月曜日

オリーブオイルの収穫方法は「手摘み」がいいの?

 「手摘みされたオリーブが原料のオリーブオイル」というと、なんだかすごく有難みを感じるというか、1つ1つ丁寧に摘まれていて、キズなどによる酸化、発酵や腐敗などとは無縁であると想像される方もいると思います。

店頭でも、収穫方法は「手摘み」であることをご説明すると、とても高級なオリーブオイルに感じられるようです。

しかしながら、「手摘み」でも「機械式」での収穫であっても、オリーブ収穫後に迅速に搾油所に運ばれ、オイルに加工されるのであれば、品質的には大きな違いはありません。

オリーブ農場が広大で、すぐ近くに搾油所がない場合、手摘みをしていると収穫に時間がかかる上に、農場に留めている時間や、搾油所への移動距離も長くなって、オリーブの酸化が進んでしまう要因になります。

大事なことは、摘んだ後のオリーブの酸化を、出来る限り避けることにあります。

「手摘み」といっても、いろいろな収穫方法があります。

・木から直接手で、1つ1つ摘み取り(これは最上であると思います)

・クシのような用具をつかって、髪をすくようにオリーブ収穫(イタリア語で、ペッティナトゥーラ:Pettinaturaといいます。ペッティネはクシ、ナトゥーラは自然の意味)

・小型の農機具を使って、オリーブをたたいて落とし収穫(手摘みと機械式の中間)

いっぽう、「機械式」とされるものは、

・中・小型トラクターの先端についた機械で、オリーブの木の幹を挟んで揺らして実を落とす収穫方法

・大型トラクターのようなもので、走りながら木をたたいて、一気に収穫する方法

などがあります。

地域特性でいえば、イタリアでは丘陵地帯が多いため手摘み収穫が多いです。スペインでは広大で大型機械をいれられるような通路を確保して苗木を植えていたり、密集地帯をつくり、大型機械で一気に収穫できるようにしているところもあり、機械式が多いように思います。「手摘み+機械式」を採用しているところも多いです。

オリーブオイルコンテストの受賞歴やメーカーの製品データを参照すると、高品質なオリーブオイルを作る生産者やオイルメーカーの大部分は、オリーブの収穫後、概ね3~4時間以内に搾油しています。

当店のオリーブオイルでは、摘まれた後、どのくらいの時間でオリーブオイルに加工されているかを情報として載せているものもあります。どうぞご参考になさってください。

2020年10月18日日曜日

高価なオリーブオイルと安価なオリーブオイル

 「高価な(エクストラバージン・)オリーブオイルと、安価なオリーブオイルとの違いは何ですか?」と聞かれることがあります。それは、本質的には、本物のエクストラバージン・オリーブオイルか、そうでないかによりますが、基本的には、消費者の手元に届くまでのコスト(原価)の積み上げになります。

「本物のエクストラバージン・オリーブオイルというと、ならば偽物があるの?」という質問をいただくこともあるのですが、それはご自身で検索で調べていただくか、書物などにも詳しく書かれていますので、そちらに譲ります。

また、基本的に、というのは、価格を意図的に高く、もしくは安くしていることもあり、品質とは無関係の場合もありますので、注意が必要となります。

それでは、コストにかかわる部分として、例えば、以下のようなことがあります。

・その年の収穫量(様々な関係者の努力により、価格に影響しない場合もあります)

・小規模か大規模か(農場の規模や生産量の規模、生産性)

・品種の希少性

・収穫後のオイルに加工するまでの時間(エクストラバージン・オリーブオイルでは、12時間程度以内、理想は3~4時間以内です。最速では数十分から2時間以内というオリーブオイルもあります)

・手間がかかる栽培方法や管理方法

・土地(物価)や人件費(例えば、チリ産のオリーブオイルは高品質ですが、土地代や人件費や低いため、安価に手に入れることもできます)

・知名度(有名な産地や人気度)

・有機認証を取得しているか否か

・空輸なのか船便なのか(船便でも、温度管理されたリーファーコンテナを利用すれば費用はその分かかります)

高価なエクストラバージン・オリーブオイルは、安価なオリーブオイルと比較すると、高品質である可能性が高くなることと、やはり、栽培時から製品化され商品となって私たちの手に届くまでに、きちんとした管理が行われています。

それでは、高価なエクストラバージン・オリーブオイルがいいのかというと、そうともいえない側面もあります。例えば、日本での価格が 500ml で 5千円を超えるような高級エクストラバージン・オリーブオイルでも、苦くて、辛くて、食べられないという方が実際にいます。

一般的に、鮮度が高かったり、早摘みであったり、ポリフェノール量が多いエクストラバージン・オリーブオイルになると、風味の刺激が強くなる傾向にあります。そのような方にとっては、高価なオリーブオイルといえども不必要なわけで、無理して食べると、精神面にもよくないと思うのです。そのような方には、ミディアムフルーティーやライトなオリーブオイルをお勧めしています。(ミディアムフルーティーやライトなオリーブオイルが安価というわけでもありませんが)

なお、オリーブオイルの色は、摘んだ時期や品種によるところが大きく、価格の高い低いには関係ありません。濾過か無濾過かも関係ありません。香りがプンプンするものがあれば、香りがおとなしいものもありますが、これも関係ありません。すごく苦いものがあるかと思えば、マイルドなものもあります。早摘みであれば刺激が強くなる傾向がありますし、熟してから摘んだものはマイルドになる傾向になります。いろいろと難しいですね。

ひとつだけ、外してほしくないことがあります。それは、喉にピリピリと刺激のあるエクストラバージン・オリーブオイルを選んでほしいことです。

世界基準の、本物のエクストラバージン・オリーブオイルであれば、という条件はつきますが、その中からであれば、高価なオイルであろうと安価なオイルであろうと(激安ということはまずありません)、風味のお好きなものを使用されれば良いと思います。

オリーブオイルには、実に様々な種類があり、それぞれに風味が異なりますので、料理によって使い分けることも、オリーブオイルの楽しみ方のひとつです。是非、いろいろなエクストラバージン・オリーブオイルをお試しになってみてください!

2020年10月17日土曜日

ズー、ジュ~、ストリッパッジョ!

私はよく紅茶を飲みます。昔、紅茶のテイスターの方にテイスティングの方法を教わった経験から、今でも紅茶を飲むときに(特に、最初の一口目は)、ズー、ズー、ジュ~と、ついつい、音をたてて飲むクセが出てしまいます。

紅茶をほんの少し(スプーン小さじ1杯分くらい)を口に含んだあと、口を横に少し開き(イの口の形、たまにスの形にすることも)、口の前方や両側からズーーと音がするように空気を吸い込みます。唾液と空気と紅茶を混ぜ合わせる感じです。

こうすることで、紅茶の風味(渋みや甘み、マスカテルフレーバーなど)を、より感じることができるのです。珈琲でもたまにやってしまうので、「何?その飲み方!」と家族から注意されることがあります...

オリーブオイルに目覚める前のことですが、オリーブオイルを販売しているマルシェを訪れた時に、店員さんから試食を勧められて、これをオリーブオイルでもやってしまいました。すると店員さんから、「あら? ソムリエさんですか?」と聞かれたのでした。

何のことかわからなかったので尋ねてみると、ストリッパッジョ(strippaggio:イタリア語で英語のStrippingから派生)といって、オリーブオイルのソムリエさんが、よくこのようなテイスティングをするのだそうです。

Wikipedia によると、「Stripping is a physical separation process where one or more components are removed from a liquid stream by a vapor stream. 」とあります。ストリッピングは、物理的な分離プロセス、1つまたは複数の成分が蒸気流によって液体流から分離される、ということです。

液体に含まれる香気や成分を、より感じやすくする技法なのですね。こうすることで、エクストラバージン・オリーブオイルのいろいろな風味が、口内、鼻腔内でより強く感じられるようになります。

ストリッパッジョ、是非、試してみてください!

2020年10月16日金曜日

オリーブオイルの品質を決める指標「過酸化物価」について

 以前の記事で、「過酸化物価」について、簡単にふれました。過酸化物価も、エクストラバージン・オリーブオイルの品質を決める重要な指標のひとつです。

IOC(国際オリーブ協会)は、過酸化物価を、エクストラバージン・オリーブオイルの基準の1つとして定めています。その基準は、1kg あたり 20ミリ当量以下です。この数値が高いと、オイルの劣化や酸化が進んでいることになります。

オリーブオイルの理化学分析結果を見る機会のある方は、「Indice de Peroxyde(meq O2/kg)」をご覧になってください。この項目が過酸化物価を表しています。(他にも、オレイン酸の量、リノール酸の量など、たくさんの数値を知ることができます)

これまでエクストラバージン・オリーブオイルを試食してきた中で、これはフレッシュで美味しい!と感じたものの大半は、過酸化物価が 10 を下回っています。感動するレベルになると、5 を下回ってきます。

とても大雑把ではありますが、酸度が 0.5% 程度で過酸化物価は 8~10 程度、酸度が 0.2% 前後になってくと、過酸化物価は 4~6 程度を示していました。(高品質なオイルは、酸度と過酸化物価は、セットで低い数値を示していることがわかります)

これまでの経験から、フレッシュで、辛味や苦みなど、刺激(フェノール系)のしっかり感じられる高品質なエクストラバージン・オリーブオイルの大部分は、過酸化物価は 10 を大きく下回ってきますので、この数値を参考にエクストラバージン・オリーブオイルを選ばれると良いのではないでしょうか。

ご興味のある方は、理化学分析結果を入手してご覧になってみてください。色々な発見があると思います!

2020年10月15日木曜日

オリーブオイルの酸度について

エクストラバージン・オリーブオイルの鮮度を示す指標として、「酸度(オイルに含まれる遊離脂肪酸の割合)」というものがあります。これは、エクストラバージン・オリーブオイルの原料であるオリーブが、どのくらい新鮮であるかを表しています。オリーブオイルの新鮮さは、オリーブの摘み取り後、どれだけ早く搾油するかで、ほぼ決まります。(フランス産など、一部例外はあります。摘んだオリーブをコントロール下で数日間寝かせてから搾る製法もあります)

エクストラバージン・オリーブオイルでは、この酸度が 0.8% 以下で、風味官能検査による味や香りに欠陥が1つもないこと、とされています。(オリーブオイルの主要生産国が加入する国際オリーブ協会 IOC:International Olive Council 規定)

私たち「オリーブオイル専門店MC」の取り扱うエクストラバージン・オリーブオイルは、酸度を確認し、その数値を掲載しています。(参考値として)

ただし、酸度は、あくまでエクストラバージン・オリーブオイルの鮮度を示す、わかりやすい指標のひとつです(過酸化物価の数値やポリフェノールの量で測る場合もあります)。これだけにこだわることは、あまりお勧めしませんし、美味しいかどうかを決めるものでもありません。

美味しいと感じるかどうかは、人によって違いますし、好きな風味かどうかも個人差が大きいものです。オリーブオイルは、オリーブの品種や摘まれた時期、オイルの製造方法などによっても、とても違う風味があります。(同じ品種でも、搾油所によって、違う顔をみせます)

オリーブオイルには、とても多くの種類があります。是非とも、いろんな産地のオリーブオイルをお試しになってみてください。お好みのオイルを見つけ出すのも楽しいと思います!

なお、高品質なエクストラバージン・オリーブオイルにおいては、個人的には 0.8% という数値は少々高めであると感じます。できるだけ 0.5% 以下のもので、可能であれば、0.2% 程度以下で選定されることをお勧めいたします。

お好みの1本に出会えますように!

2020年10月14日水曜日

今年もオリーブオイル ヌーヴォーの時期がやってきました!

 年に1度のお楽しみ!今年もエクストラバージン・オリーブオイル ヌーヴォーの時期がやってきました!

ヌーヴォーといえば、ワインではよく知られていますが、エクストラバージン・オリーブオイルにもヌーヴォーがあることをご存知でしょうか?「え?オリーブオイルのヌーヴォー?」と驚かれる場合がよくあります。

「ヌーボー(ヌーヴォー/Nouveau)」とは、フランス語で「新しい」の意味です。イタリア語では、ノヴェッロ(Novello)といわれます。当年産の初物オリーブを使ったオリーブオイルなのですが、正確には、早摘みオリーブの中でも、「特に早い時期に収穫したオリーブ」をすぐに搾って瓶詰めしたオリーブオイルのことをいい、期間限定生産の特別なオリーブオイルです。そして、大部分が澱のあるノンフィルター、まさにオリーブジュースです!

現地の搾油所でそのまま試飲する感覚を味わっていただけるよう、大部分は空輸で届きます(船便の場合もありますが、時間がかかるため、フィルターされることもあります)。

初摘みならではの、フレッシュな味わいを、ぜひご堪能ください!

[こちら] にて、ご予約・ご注文、受付中です!