2020年10月21日水曜日

どれがお勧めのオリーブオイルですか?

店頭でオリーブオイルを販売していると、「どれがお勧めですか?」と尋ねられることが結構あります。このような場合、私は、お客様のことを少し知りたいと思って、いくつかの質問をさせていただきます。

例えば、

・オリーブオイルをどのように使用されますか?(以前、お肌に塗る! という方がいて意表を突かれました。そういえば、椿油を販売していた時には、髪につけるという方も)

・生食用途ですか? 加熱用途ですか? どちらもですか? 使い分けられますか?

・普段からよく利用されていますか? 利用されている場合、どのような銘柄をご利用ですか?(似たような風味がいいですか? 全く異なる世界を体験されたいですか?)

オリーブオイルには、苦み、渋み、辛味、甘み、そして香りと、本当にそれぞれに個性があります。基本的に、エキストラバージン・オリーブオイルは高価ですので、なるべくお客様にマッチするオリーブオイルをお勧めしたいと思うのです。

オリーブオイル初心者の方で、特に風味やご予算に制限がない場合には、「トンダイブレア種 100%」のオリーブオイルをお勧めしています。

(この度のコロナ過以前は、オリーブオイルの試食販売をしていました。タイプの異なる3種類を試食していただくと、お客様の表情から、だいたいどのタイプがお好みなのかがわかります)

私の一番の、お気に入りの品種は、トンダイブレア種です。青リンゴのような爽やかな風味で、苦すぎたり辛すぎたりということもなく、オリーブオイル独特のえぐみが苦手という方にも、自信を持ってお勧めできるオリーブオイルです。

そのせいか、トンダイブレア種の品揃えが一番多くなっています。トークにも力が入ります(すみません)。

以下は、全て、トンダイブレア種のオリーブオイルです。

・チンクエコッリ(CINQUE COLLI)

・ザハラ(ZAHARA)

・テッラリーヴァ(TERRALIVA)

・レ(RE)

・プリモ・ビオ(PRIMO BIO)

・プリモ DOP(PRIMO D.D.P.)

・プリンチペ(Principe)

ただ、同じトンダイブレア種でも、それぞれに個性がありますので、1本として同じ風味のものはありません(近いものはあります)。トンダイブレア種、是非ご賞味ください!

もちろん、他の品種のオリーブオイルも、美味しいものばかりです。

「どれがお勧めですか?」

「どれもお勧めです!」

2020年10月20日火曜日

開封したオリーブオイルの使用期限は?

 「開封済み」のエキストラバージン・オリーブオイルについて、その使用期限が気になるのではないかと思います。

ネットで検索してみると、1か月という期限があるかと思えば、3か月や6か月というものもあります。「いったいどれに従えばいいの?」と思われるかもしれません。

結論からいえば、どれも間違いではありません。なぜかというと、開封後の使用期限は、オリーブオイル自身の性向と、保管状態による劣化の度合いできまるからです。

オリーブオイル自身の性向について書きます。(オリーブオイルの保管の仕方については、ネット検索でたくさん情報が出てきますので、そちらをご参考ください)

ヌーヴォーなどの、澱や果実の断片が含まれるようなオリーブオイルの場合、これは素晴らしい風味を作るものであると同時に、不純物(というのか、いい言葉がみつかりません)でもあるわけです。そのため、劣化は早くなる傾向にあります。ヌーヴォーオイルは、新鮮なうちに(1~2か月程度で!)使い切ることをお勧めするオイルです。

早摘みや、酸度が低い、果実が新鮮なうちに加工された高品質なオリーブオイルでは、オレイン酸の含有量や総ポリフェノール量が多いので、比較的劣化は緩やかになります。このようなオリーブオイルでは、3~4か月くらいは充分に品質を保てると思います。

そして、オレイン酸の含有量や総ポリフェノール量が多いことに加えて、澱が限りなくゼロになるようフィルター(濾過)しているオイルだと、さらに酸化安定性が高くなり、6か月程度でも大丈夫なの「かも」しれません。(実際には、過酸化物価を計測する必要性があるのかもしれません。)

また、オリーブの品種によっても違います。例えば、酸化安定性の高い品種として知られるものに、ピクアル種やコロネイキ種があります。上記にあるように、オレイン酸の含有量や、総ポリフェノール量が多いので、長く品質を保てます。

ボトルの色や材質、注ぎ口の構造によっても違いが出ます。キャップを開けると、注ぎ口が全開になっているものから、一度注いで空気にふれたオイルがボトルに戻りにくくなっている構造のものもあります。[このような注ぎ口は、オイルの通り道ができるまで、なかなかオイルが出てこない場合があります。キャップを締めて、(逆さまにして)何度かボトルを振ると、出るようになります]つまり、酸素に触れる度合いが異なります。

空いているボトルでも、酸素がオイルに触れるのは、油の表面のみなので、日頃からちょくちょく使っているオイルだと、そう酸化が急速に進むわけでもないです。

そうなってくると、結局はどうなんだ!?ということになりますが、味覚、嗅覚が鋭い方は、使用期限は何か月ということではなく、ご自身の感覚を信じて、使用可否を判断されれば良いと思います。劣化したオイルは、なかなかに厳しい風味がします。

しばらく使用していないオリーブオイルの場合、注ぎ口やキャップの匂いをかぐと、酸化した油のにおいがすることがあります。これはとてもイヤな臭いなので、だいたいどなたでもわかります。そのような場合には、注ぎ口やキャップについているオイルをふきとってみてください。ボトルの中身のオイルは問題ないことが多いです。

味覚、嗅覚に自信のない方へのアドバイスとしては、保管状態がきちんとしていることを前提で、2か月程度、長くても3か月程度で使い切ってしまうことをお勧めいたします。3か月を過ぎてくると、炒め物や揚げ物など、加熱用途でお使いいただければと思います。

酸化(劣化)したオリーブオイルを摂り続けると、健康に悪影響を及ぼすとされていますので、とても注意が必要です。(食物油脂全般にいえることです)

健康効果が高いとされるオリーブオイルは、新しいうちに、お早めに消費してくださいね!

2020年10月19日月曜日

オリーブオイルの収穫方法は「手摘み」がいいの?

 「手摘みされたオリーブが原料のオリーブオイル」というと、なんだかすごく有難みを感じるというか、1つ1つ丁寧に摘まれていて、キズなどによる酸化、発酵や腐敗などとは無縁であると想像される方もいると思います。

店頭でも、収穫方法は「手摘み」であることをご説明すると、とても高級なオリーブオイルに感じられるようです。

しかしながら、「手摘み」でも「機械式」での収穫であっても、オリーブ収穫後に迅速に搾油所に運ばれ、オイルに加工されるのであれば、品質的には大きな違いはありません。

オリーブ農場が広大で、すぐ近くに搾油所がない場合、手摘みをしていると収穫に時間がかかる上に、農場に留めている時間や、搾油所への移動距離も長くなって、オリーブの酸化が進んでしまう要因になります。

大事なことは、摘んだ後のオリーブの酸化を、出来る限り避けることにあります。

「手摘み」といっても、いろいろな収穫方法があります。

・木から直接手で、1つ1つ摘み取り(これは最上であると思います)

・クシのような用具をつかって、髪をすくようにオリーブ収穫(イタリア語で、ペッティナトゥーラ:Pettinaturaといいます。ペッティネはクシ、ナトゥーラは自然の意味)

・小型の農機具を使って、オリーブをたたいて落とし収穫(手摘みと機械式の中間)

いっぽう、「機械式」とされるものは、

・中・小型トラクターの先端についた機械で、オリーブの木の幹を挟んで揺らして実を落とす収穫方法

・大型トラクターのようなもので、走りながら木をたたいて、一気に収穫する方法

などがあります。

地域特性でいえば、イタリアでは丘陵地帯が多いため手摘み収穫が多いです。スペインでは広大で大型機械をいれられるような通路を確保して苗木を植えていたり、密集地帯をつくり、大型機械で一気に収穫できるようにしているところもあり、機械式が多いように思います。「手摘み+機械式」を採用しているところも多いです。

オリーブオイルコンテストの受賞歴やメーカーの製品データを参照すると、高品質なオリーブオイルを作る生産者やオイルメーカーの大部分は、オリーブの収穫後、概ね3~4時間以内に搾油しています。

当店のオリーブオイルでは、摘まれた後、どのくらいの時間でオリーブオイルに加工されているかを情報として載せているものもあります。どうぞご参考になさってください。

2020年10月18日日曜日

高価なオリーブオイルと安価なオリーブオイル

 「高価なオリーブオイルと、安価なオリーブオイルとの違いは何ですか?」と聞かれることがあります。それは、本質的には、本物のエキストラバージン・オリーブオイルか、そうでないかによりますが、基本的には、消費者の手元に届くまでのコスト(原価)の積み上げになります。

「本物のエキストラバージン・オリーブオイルというと、ならば偽物があるの?」という質問をいただくこともあるのですが、それはご自身で検索で調べていただくか、書物などにも詳しく書かれていますので、そちらに譲ります。

また、基本的に、というのは、価格を意図的に高く、もしくは安くしていることもあり、品質とは無関係の場合もありますので、注意が必要となります。

それでは、コストにかかわる部分として、例えば、以下のようなことがあります。

・その年の収穫量(様々な関係者の努力により、価格に影響しない場合もあります)

・小規模か大規模か(農場の規模や生産量の規模、生産性)

・品種の希少性

・収穫後のオイルに加工するまでの時間(エキストラバージン・オリーブオイルでは、長くても12時間以内、理想は3~4時間以内です。最速では数十分から2時間程度以内というオリーブオイルもあります)

・手間がかかる栽培方法や管理方法

・土地(物価)や人件費(例えば、チリ産のオリーブオイルは高品質ですが、土地代や人件費や低いため、安価に手に入れることもできます)

・知名度(有名な産地や人気度)

・有機認証を取得しているか否か

・空輸なのか船便なのか(船便でも、温度管理されたリーファーコンテナを利用すれば費用はその分かかります)

高価なオリーブオイルは、安価なオリーブオイルと比較すると、高品質である可能性が高くなることと、やはり、栽培時から製品化され商品となって私たちの手に届くまでに、きちんとした管理が行われています。

それでは、高価なオリーブオイルがいいのかというと、そうともいえない側面もあります。例えば、日本での価格が 500ml で 5千円を超えるような高級オリーブオイルでも、苦くて、辛くて、食べられないという方が実際にいます。

一般的に、鮮度が高かったり、早摘みであったり、ポリフェノール量が多いオリーブオイルになると、風味の刺激が強くなる傾向にあります。そのような方にとっては、高価なオリーブオイルといえども不必要なわけで、無理して食べると、精神面にもよくないと思うのです。そのような方には、ミディアムフルーティーやライトなオリーブオイルをお勧めしています。(ミディアムフルーティーやライトなオリーブオイルが安価というわけでもありませんが)

なお、オリーブオイルの色は、摘んだ時期や品種によるところが大きく、価格の高い低いには関係ありません。濾過か無濾過かも関係ありません。香りがプンプンするものがあれば、香りがおとなしいものもありますが、これも関係ありません。すごく苦いものがあるかと思えば、マイルドなものもあります。早摘みであれば刺激が強くなる傾向がありますし、熟してから摘んだものはマイルドになる傾向になります。いろいろと難しいですね。

ひとつだけ、外してほしくないことがあります。それは、喉にピリピリと刺激のあるオリーブオイルを選んでほしいことです。

世界基準の、本物のエキストラバージン・オリーブオイルであれば、という条件はつきますが、その中からであれば、高価なオイルであろうと安価なオイルであろうと(激安ということはまずありません)、風味のお好きなものを使用されれば良いと思います。

オリーブオイルには、実に様々な種類があり、それぞれに風味が異なりますので、料理によって使い分けることも、オリーブオイルの楽しみ方のひとつです。是非、いろいろなオリーブオイルをお試しになってみてください!

2020年10月17日土曜日

ズー、ジュ~、ストリッパッジョ!

私はよく紅茶を飲みます。昔、紅茶のテイスターの方にテイスティングの方法を教わった経験から、今でも紅茶を飲むときに(特に、最初の一口目は)、ズー、ズー、ジュ~と、ついつい、音をたてて飲むクセが出てしまいます。

紅茶をほんの少し(スプーン小さじ1杯分くらい)を口に含んだあと、口を横に少し開き(イの口の形、たまにスの形にすることも)、口の前方や両側からズーーと音がするように空気を吸い込みます。唾液と空気と紅茶を混ぜ合わせる感じです。

こうすることで、紅茶の風味(渋みや甘み、マスカテルフレーバーなど)を、より感じることができるのです。珈琲でもたまにやってしまうので、「何?その飲み方!」と家族から注意されることがあります...

オリーブオイルに目覚める前のことですが、オリーブオイルを販売しているマルシェを訪れた時に、店員さんから試食を勧められて、これをオリーブオイルでもやってしまいました。すると店員さんから、「あら? ソムリエさんですか?」と聞かれたのでした。

何のことかわからなかったので尋ねてみると、ストリッパッジョ(strippaggio:イタリア語で英語のStrippingから派生)といって、オリーブオイルのソムリエさんが、よくこのようなテイスティングをするのだそうです。

Wikipedia によると、「Stripping is a physical separation process where one or more components are removed from a liquid stream by a vapor stream. 」とあります。ストリッピングは、物理的な分離プロセス、1つまたは複数の成分が蒸気流によって液体流から分離される、ということです。

液体に含まれる香気や成分を、より感じやすくする技法なのですね。こうすることで、オリーブオイルのいろいろな風味が、口内、鼻腔内でより強く感じられるようになります。

ストリッパッジョ、是非、試してみてください!

2020年10月16日金曜日

オリーブオイルの品質を決める指標「過酸化物価」について

 以前の記事で、「過酸化物価」について、簡単にふれました。過酸化物価も、オリーブオイルの品質を決める重要な指標のひとつです。

IOC(国際オリーブ協会)は、過酸化物価を、エキストラバージン・オリーブオイルの基準の1つとして定めています。その基準は、1kg あたり 20ミリ当量以下です。この数値が高いと、オイルの劣化や酸化が進んでいることになります。

オリーブオイルの理化学分析結果を見る機会のある方は、「Indice de Peroxyde(meq O2/kg)」をご覧になってください。この項目が過酸化物価を表しています。(他にも、オレイン酸の量、リノール酸の量など、たくさんの数値を知ることができます)

これまでオリーブオイルを試食してきた中で、これはフレッシュで美味しい!と感じたものの大半は、過酸化物価が 10 を下回っています。感動するレベルになると、5 を下回ってきます。

とても大雑把ではありますが、酸度が 0.5% 程度で過酸化物価は 8~10 程度、酸度が 0.2% 前後になってくと、過酸化物価は 4~6 程度を示していました。(高品質なオイルは、酸度と過酸化物価は、セットで低い数値を示していることがわかります)

これまでの経験から、フレッシュで、辛味や苦みなど、刺激(フェノール系)のしっかり感じられる高品質なオリーブオイルの大部分は、過酸化物価は 10 を大きく下回ってきますので、この数値を参考にオリーブオイルを選ばれると良いのではないでしょうか。

ご興味のある方は、理化学分析結果を入手してご覧になってみてください。色々な発見があると思います!

2020年10月15日木曜日

オリーブオイルの酸度について

オリーブオイルの鮮度を示す指標として、「酸度(オイルに含まれる遊離脂肪酸の割合)」というものがあります。これは、オリーブオイルの原料であるオリーブが、どのくらい新鮮であるかを表しています。オリーブオイルの新鮮さは、オリーブの摘み取り後、どれだけ早く搾油するかで、ほぼ決まります。

エキストラバージン・オリーブオイルでは、この酸度が 0.8% 以下で、風味官能検査による味や香りに欠陥が1つもないこと、とされています。(オリーブオイルの主要生産国が加入する国際オリーブ協会 IOC:International Olive Council 規定)

私たち「オリーブオイル専門店MC」の取り扱うオリーブオイルは、酸度を確認し、その数値を掲載しています。(参考値として)

ただし、酸度は、あくまでオリーブオイルの鮮度を示す、わかりやすい指標のひとつです(過酸化物価の数値やポリフェノールの量で測る場合もあります)。これだけにこだわることは、あまりお勧めしませんし、美味しいかどうかを決めるものでもありません。

美味しいと感じるかどうかは、人によって違いますし、好きな風味かどうかも個人差が大きいものです。オリーブオイルは、オリーブの品種や摘まれた時期、オイルの製造方法などによっても、とても違う風味があります。(同じ品種でも、搾油所によって、違う顔をみせます)

オリーブオイルには、とても多くの種類があります。是非とも、いろんな産地のオリーブオイルをお試しになってみてください。お好みのオイルを見つけ出すのも楽しいと思います!

なお、高品質なエキストラバージン・オリーブオイルにおいては、個人的には 0.8% という数値は少々高めであると感じます。できるだけ 0.5% 以下のもので、可能であれば、0.2% 程度以下で選定されることをお勧めいたします。

お好みの1本に出会えますように!

2020年10月14日水曜日

今年もオリーブオイル ヌーヴォーの時期がやってきました!

 年に1度のお楽しみ!今年もオリーブオイル ヌーヴォーの時期がやってきました!

ヌーヴォーといえば、ワインではよく知られていますが、オリーブオイルにもヌーヴォーがあることをご存知でしょうか?「え?オリーブオイルのヌーヴォー?」と驚かれる場合がよくあります。

「ヌーボー(ヌーヴォー/Nouveau)」とは、フランス語で「新しい」の意味です。イタリア語では、ノヴェッロ(Novello)といわれます。当年産の初物オリーブを使ったオリーブオイルなのですが、正確には、早摘みオリーブの中でも、「特に早い時期に収穫したオリーブ」をすぐに搾って瓶詰めしたオリーブオイルのことをいい、期間限定生産の特別なオリーブオイルです。そして、大部分が澱のあるノンフィルター、まさにオリーブジュースです!

現地の搾油所でそのまま試飲する感覚を味わっていただけるよう、大部分は空輸で届きます(船便の場合もありますが、時間がかかるため、フィルターされることもあります)。

初摘みならではの、フレッシュな味わいを、ぜひご堪能ください!

[こちら] にて、ご予約・ご注文、受付中です!