2020年10月19日月曜日

オリーブオイルの収穫方法は「手摘み」がいいの?

 「手摘みされたオリーブが原料のオリーブオイル」というと、なんだかすごく有難みを感じるというか、1つ1つ丁寧に摘まれていて、キズなどによる酸化、発酵や腐敗などとは無縁であると想像される方もいると思います。

店頭でも、収穫方法は「手摘み」であることをご説明すると、とても高級なオリーブオイルに感じられるようです。

しかしながら、「手摘み」でも「機械式」での収穫であっても、オリーブ収穫後に迅速に搾油所に運ばれ、オイルに加工されるのであれば、品質的には大きな違いはありません。

オリーブ農場が広大で、すぐ近くに搾油所がない場合、手摘みをしていると収穫に時間がかかる上に、農場に留めている時間や、搾油所への移動距離も長くなって、オリーブの酸化が進んでしまう要因になります。

大事なことは、摘んだ後のオリーブの酸化を、出来る限り避けることにあります。

「手摘み」といっても、いろいろな収穫方法があります。

・木から直接手で、1つ1つ摘み取り(これは最上であると思います)

・クシのような用具をつかって、髪をすくようにオリーブ収穫(イタリア語で、ペッティナトゥーラ:Pettinaturaといいます。ペッティネはクシ、ナトゥーラは自然の意味)

・小型の農機具を使って、オリーブをたたいて落とし収穫(手摘みと機械式の中間)

いっぽう、「機械式」とされるものは、

・中・小型トラクターの先端についた機械で、オリーブの木の幹を挟んで揺らして実を落とす収穫方法

・大型トラクターのようなもので、走りながら木をたたいて、一気に収穫する方法

などがあります。

地域特性でいえば、イタリアでは丘陵地帯が多いため手摘み収穫が多いです。スペインでは広大で大型機械をいれられるような通路を確保して苗木を植えていたり、密集地帯をつくり、大型機械で一気に収穫できるようにしているところもあり、機械式が多いように思います。「手摘み+機械式」を採用しているところも多いです。

オリーブオイルコンテストの受賞歴やメーカーの製品データを参照すると、高品質なオリーブオイルを作る生産者やオイルメーカーの大部分は、オリーブの収穫後、概ね3~4時間以内に搾油しています。

当店のオリーブオイルでは、摘まれた後、どのくらいの時間でオリーブオイルに加工されているかを情報として載せているものもあります。どうぞご参考になさってください。