2020年10月24日土曜日

寝かせて待っている間は、別の1本を!(捨てないで!)

普段は菜種油や米油を使っている方が、当店のマルシェにお越しになりました。

その方のお話によると、以前、"オリーブオイルは健康にいいらしい" とTVで見て、「少し高価なイタリア産のオリーブオイルを買ってみたけれど、苦くて辛くて無理だった、なんか悪くなっていたのかしらね」とのことでした。そのオイルはどうされたかを伺うと、結局、使わないまま、捨ててしまったそうです。

オリーブオイルのことを少しご存知の方でしたら、"苦くて辛い"(フルーティーと表現されることも)は、高品質なオリーブオイルの証でもあるのですが、オリーブオイルが初めての方で、しかもこのような風味であったので、その方には受け入れられなかったのです。

イタリア中部のトスカーナ産やウンブリア産のオリーブオイルは、このような苦くて辛い傾向にあります(主に、モライオーロ種。フラントイオ種やレッチーノ種を混ぜて、苦みのバランスをとることもありますが、それでも結構苦いと思います)。そのため、肉系に合わせるなど、料理を選ぶオイルになります。上記の事例からも、やはり、試食の必要性を感じるところです。(どうか、オリーブオイルを嫌いにならないでください!)

オリーブオイルは(オリーブの実についてもいえることですが)、人によっては、もともと少々慣れが必要な食べ物だと思います。

基本的に、「"苦くて辛い" = "高ポリフェノール" = "健康にいいオリーブオイル" 」となりますが、近年では、高ポリフェノールで商品価値を高めるためか、早摘みでスパイシー系のオリーブオイルが多くなってきているように感じます。

当店での、苦みの極みともいえるものは、チュニジア産のシェトウィ種 100% のオイルです。開封して、スプーンでひと口、何か悪いものでも口にしたのかと思うような(とは言い過ぎですが)強い苦みがあります。インポーターさんによると、この苦みがクセになり、リピーターさんも多いとのことです。(はい、私もこの風味は大好きです)

では、このような、"苦くて辛い"オリーブオイルにあたってしまい、食べられなかったときには、どうすればいいのでしょうか。

開封後、キャップはきちんと閉めたまま、1~2か月おいておき、その後、味見をしてみてください。そこで食べられるようになればお使いいただき、それでもまだ無理であれば、更に1~2か月おいておき、を繰り返します。

そのうちに、ポリフェノールがだんだんと抜けてきて、美味しく食べられる日がくるものと思います。高ポリフェノールのオリーブオイルは、そう簡単には酸化しませんので、どうぞご安心ください。

そういえば1年ほど前に、当店で、チュニジア産のシェトウィ種100%のオリーブオイルを試食もなしに、購入されようとしたお客様がいらっしゃいました。当店のスタッフが、「こちらは、かなり苦いですよ! 試食なさいますか?」と申し上げると、「いえ、いいです、いいです」とおっしゃって、お買い上げになりました。

その後、大丈夫かな~~と心配していたのですが、その後も、リピートで「以前のあの苦いオリーブオイルは?」と同じオイルをお求めになったので、よかったのでしょうね。食の好みというのは、本当に人それぞれですね。

私どもは、お客様が心から「美味しい~~」と思えるオリーブオイルの選定をお手伝いさせていただきます!