2020年10月20日火曜日

開封したオリーブオイルの使用期限は?

 「開封済み」のエキストラバージン・オリーブオイルについて、その使用期限が気になるのではないかと思います。

ネットで検索してみると、1か月という期限があるかと思えば、3か月や6か月というものもあります。「いったいどれに従えばいいの?」と思われるかもしれません。

結論からいえば、どれも間違いではありません。なぜかというと、開封後の使用期限は、オリーブオイル自身の性向と、保管状態による劣化の度合いできまるからです。

オリーブオイル自身の性向について書きます。(オリーブオイルの保管の仕方については、ネット検索でたくさん情報が出てきますので、そちらをご参考ください)

ヌーヴォーなどの、澱や果実の断片が含まれるようなオリーブオイルの場合、これは素晴らしい風味を作るものであると同時に、不純物(というのか、いい言葉がみつかりません)でもあるわけです。そのため、劣化は早くなる傾向にあります。ヌーヴォーオイルは、新鮮なうちに(1~2か月程度で!)使い切ることをお勧めするオイルです。

早摘みや、酸度が低い、果実が新鮮なうちに加工された高品質なオリーブオイルでは、オレイン酸の含有量や総ポリフェノール量が多いので、比較的劣化は緩やかになります。このようなオリーブオイルでは、3~4か月くらいは充分に品質を保てると思います。

そして、オレイン酸の含有量や総ポリフェノール量が多いことに加えて、澱が限りなくゼロになるようフィルター(濾過)しているオイルだと、さらに酸化安定性が高くなり、6か月程度でも大丈夫なの「かも」しれません。(実際には、過酸化物価を計測する必要性があるのかもしれません。)

また、オリーブの品種によっても違います。例えば、酸化安定性の高い品種として知られるものに、ピクアル種やコロネイキ種があります。上記にあるように、オレイン酸の含有量や、総ポリフェノール量が多いので、長く品質を保てます。

ボトルの色や材質、注ぎ口の構造によっても違いが出ます。キャップを開けると、注ぎ口が全開になっているものから、一度注いで空気にふれたオイルがボトルに戻りにくくなっている構造のものもあります。[このような注ぎ口は、オイルの通り道ができるまで、なかなかオイルが出てこない場合があります。キャップを締めて、(逆さまにして)何度かボトルを振ると、出るようになります]つまり、酸素に触れる度合いが異なります。

空いているボトルでも、酸素がオイルに触れるのは、油の表面のみなので、日頃からちょくちょく使っているオイルだと、そう酸化が急速に進むわけでもないです。

そうなってくると、結局はどうなんだ!?ということになりますが、味覚、嗅覚が鋭い方は、使用期限は何か月ということではなく、ご自身の感覚を信じて、使用可否を判断されれば良いと思います。劣化したオイルは、なかなかに厳しい風味がします。

しばらく使用していないオリーブオイルの場合、注ぎ口やキャップの匂いをかぐと、酸化した油のにおいがすることがあります。これはとてもイヤな臭いなので、だいたいどなたでもわかります。そのような場合には、注ぎ口やキャップについているオイルをふきとってみてください。ボトルの中身のオイルは問題ないことが多いです。

味覚、嗅覚に自信のない方へのアドバイスとしては、保管状態がきちんとしていることを前提で、2か月程度、長くても3か月程度で使い切ってしまうことをお勧めいたします。3か月を過ぎてくると、炒め物や揚げ物など、加熱用途でお使いいただければと思います。

酸化(劣化)したオリーブオイルを摂り続けると、健康に悪影響を及ぼすとされていますので、とても注意が必要です。(食物油脂全般にいえることです)

健康効果が高いとされるオリーブオイルは、新しいうちに、お早めに消費してくださいね!